月別アーカイブ: 6月 2013

自己破産手続きの流れと詳細

めぼしい資産がなく同時廃止の場合

  • 破産・免責申立て

    • 住所地の地方裁判所に、破産申立てをします。裁判所書記官と面談し、書類が整っていれば、受理されます。破産申立てにおいて、一番難しいのが、この申立て受理です。逆に、この受理さえスムーズに行けば、9割以上の確率で、免責までたどり着けます。
  • 破産審尋(はさんしんじん)

    • 申立て受理から、1ヵ月〜2ヵ月(通常のスピードなら、1ヵ月)後に、破産審尋という裁判官との面接を行います。1人で行うこともあります が、通常ですと、10人〜20人の集団面接となります。時間は、10分〜20分程度で、「免責不許可事由に該当しませんか?」などを質問します。
  • 破産決定

    • 破産審尋の即日に破産決定を言渡す地裁もあるようですが、通常は、破産審尋後、1週間〜1ヵ月で、破産決定が下ります。ただし、破産決定が 下りただけでは、単に「支払不能」を認定してもらっただけであり、借金がなくなる訳ではありません。この後に、「免責」が必要となります。
  • 免責審尋(めんせきしんじん)

    • 破産決定から、1ヵ月〜2ヵ月(通常のスピードなら、1ヵ月)後に、免責審尋という裁判官との面接が行われます。基本的に、破産審尋と変わりません。10人〜20人の集団面接で、10分〜20分で終わります。
  • 免責決定

    • 免責決定、確定後、初めて借金返済責任が免除されることとなります。

免責申立てが、破産申立てと同時に申請することが認められていない地裁では、必ず同時廃止の決定後1ヵ月以内(又は官報公告後2週間以内)に、免責申立てを行う必要があります。

自己破産に関するQ&A集(質問と答え)

自己破産すると、就けない職業がありますか?

破産宣告を受けてから、免責決定を受けるまでの間、就けない職業があります。

弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、税理士、弁理士、宅地建物取引主任者などになれません。また、質屋、古物商、生命保険募集員及び損害保険代理店、警備員、建設業者、風俗業者などにもなれません。さらに、株式会社及び有限会社の取締役や監査役になれません。

ただし、復権を得れば、これらの職業制限はなくなります。復権を得るというのは、免責を得るか、もしくは、破産宣告から10年経過することです。で すので、職業制限があるのは、破産宣告を受けてから、免責決定を受けるまでの3ヵ月程度ということになります(同時廃止の場合)。

自己破産すると、会社を辞めなければなりませんか?

破産しても、一般的には、会社には分りません。破産したことは、官報に掲載されますが、官報に目を通している会社は、極々少数だからです。

仮に、会社が、従業員の破産の事実を把握したとしても、そのことを理由として、解雇することはできません。

もし、そのような理由で解雇したなら、不当解雇です。これは、民間会社ばかりでなく、公務員においても同じです。

退職金は、債権者に取られますか?
2つに分けて、考えます。まずは、まだ勤務している場合。

(1) 勤務している場合(退職金を受け取っていない場合)

退職金請退職金受取見込み額の8分の1が20万円を越えている場合は退職金受取見込み額の8分の1が、財産として債権者に分配されます。求権がある なら、退職金計算書を会社に作ってもらい、破産申立ての添付書類として、地方裁判所に提出する必要があります。退職金計算書は、もし、仮に今退職したら、 いくらの退職金がでるか?というのを、計算してもらったものです。

(2) 退職金を受取っている場合

現在残っている金額が99万円を超えている場合99万円を越えた額が財産として計算され債権者に分配されます。

自己破産すると、車は、債権者に取られますか?
車については、まず、所有者が誰か確認する必要があります。

(1) ローン会社等に、所有権が留保されている場合

買ったつもりの車でも、ローン会社などに所有権が留保されている場合があり、この場合には、自分の物ではありません。この場合、破産すると、本来の所有者に車を返還しなければなりません。車を手元に残すことは、できません。

(2) 自分の名義の場合

車は、中古車価格で、21万円以上の値段がつくと、同時廃止とはならず、管財手続きに入ります。管財手続きに入りますと、換金されて、債権者で分けられます。 中古車価格で、21万円未満なら、同時廃止となり、車を取られません。

自己破産すると、生命保険等の保険はどうなりますか?
生命保険をかけている方も、たくさんいるでしょう。生命保険で問題になるのは、解約返戻金(生命保険を解約したときに戻ってくるお金)です。

この解約返戻金が50万円以下の場合には、同時廃止となります。同時廃止となる場合には、生命保険は、そのままで大丈夫です。解約する必要はありません。

もし、この解約返戻金が20万円を超える場合には、管財手続きとなります。管財手続きとなる場合でも、その解約返戻金相当額を用意して、破産財団に繰り入れることができれば、生命保険を解約する必要はありません。

自己破産すると、選挙権・被選挙権がなくなりますか?
破産により、選挙権も、被選挙権も無くなりません。選挙に投票することもできますし、選挙に立候補することもできます。

国民の基本的な権利な訳ですから、選挙権・被選挙権がなくなることはありません。

自己破産すると、戸籍に載りますか?
破産しても、戸籍には載りません。ただし、破産すると、官報に記載された上で、破産者の本籍地にある破産者名簿に載ります。

自己破産すると、子供が進学できなくなったり、結婚の障害になりますか?
破産したという事実は、官報と破産者名簿に載りますが、一般的に、官報を読んでいる人は少ないでしょうし、破産者名簿は、そもそも第三者が勝手に見ることができるような物ではありません。

破産したという事実が、第三者に分ること自体がほとんどあり得ないのですから、そのことを理由に、子供が差別を受けることも、ほとんどあり得ないと言えます。

また、法的には、両親の破産を理由に、子供の就学を拒否したりすることはできず、婚約を解消したりすることもできません。

自己破産すると、裁判所から、破産者の勤務先に通知が行きますか?
破産すると、裁判所から、「債権者」に通知が行きます。また、申立てをした債務者の住所地にも、通知が行きます。しかし、破産者の勤務先に通知など行きません。

自己破産すると、給料が全部取り上げられますか?
給料は、手取りの25%か、手取り金額から21万円を引いた額のどちらか大きい額までは、差し押えの対象となります。

その境目は、手取りで28万円を超えるかどうかです。28万円以下なら、給料の25%計算となり、28万円を超えると、手取り金額から21万円を引いた額のほうが大きくなるので、その額が差し押えの対象となります。

手取りが20万円なら、5万円が限度。手取りが30万円なら、9万円が限度となります。この給料の差押えの危険は、免責決定まで続きます。

自己破産すると、現金はすべて没収されますか?
政令で定める1ヵ月間の必要生活費の額(現在は、21万円)の金銭は、差押えの対象とはなりません。

必要生活費の額については、破産法改正により、99万円となりました。新破産法の施行は、2005年1月を予定しています。

自己破産すると、生活保護や失業保険、年金がストップされますか?
生活保護や失業保険、年金は、破産によって、支払いがストップするような事はありません。また、これらの権利は、差押さえ禁止となっています。

自己破産すると、口座は全て使えなくなりますか?
口座のうち、決済用の普通の口座は、止まりません。今まで通り、使うことができます。

問題となるのは、キッャシング機能が付いた口座です。銀行口座でも、20万円〜30万円のキャッシング機能付きの口座があり、破産すると信用情報機関に破産情報が載り、ブラックとなってしまうため、借り入れがストップしてしまいます。

そのため、キッャシング機能が付いた口座もストップすると考えた方がいいでしょう。

子供の借金を、親が支払う必要はありますか?
法律上は、親と子供は、別々の者です。連帯保証人などになっている場合を除き、親が子供の借金を支払う必要はありませんし、逆に、子供が親の借金を支払う必要もありません。

夫(妻)の借金を、妻(夫)が支払う必要はありますか?
夫婦の場合には、日常家事債務については、一方が勝手にした契約であっても、連帯して債務を負うことになっています。

この日常家事債務とは、生活のためにかかる費用のことです。しかし、借金については、それが生活費のための借金であっても、日常家事債務には該当しないという判例が出ています。

そのため、連帯保証人などになっている場合を除き、夫(妻)の借金を、妻(夫)が支払う必要はありません。

自己破産すると、アパートを追い出されますか?
延滞賃料についても、債権ですので、債権者名簿に載せるのが原則となります。

債権者名簿に載せれば、債権者に裁判所から通知が行き、大家さんに知られることになるでしょう。しかも、免責の対象になれば、賃料を踏み倒されたと思った大家さんから、立ち退き請求をされる恐れがあります。

アパートなどは、生活の基本となるところですから、なんとか賃料を延滞させないようにしましょう。延滞賃料がなければ、大家さんが賃借人の破産を知る可能性は限りなく低いので、実際に、賃借人が追い出されることはないでしょう。

借金を返さないと、詐欺ですか?
よく債権者の取立てで、「詐欺で、警察に訴えるぞ!」などと言われますが、お金を返さないからと言って、ただちに詐欺に当たる訳ではありません。

詐欺と言えるためには、最初から、騙す意思が必要になります。

最初は返すつもりで借りたが、途中で返せなくなったというのは、民事の債務不履行には当たりますが、刑事の詐欺には当たりません。

取立てが、勤務先に来て、大声で返済を迫ります。仕方ないのでしょうか?
そのような迷惑行為は、違法です。

貸金業者については、金融庁のガイドラインで、禁止事項が定められています。これに違反すると、1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられ、これらを併科されます。

違法な取り立て

  1. 正当な理由なく、午前8時以前、午後9時以降その他不適当な時間帯に債務者、保証人などに電話・電報などで連絡したり、これらの者を訪問したりすること
  2. 反復又は継続して債務者・保証人などに電話・電報などで連絡し、もしくはこれらの者を訪問すること
  3. 多人数で訪問したり、大声をあげたり、乱暴な言葉を用いたり、暴力的な態度をとったりすること
  4. はり紙・落書きその他いかなる手段であるかを問わず、みだりに債務者の借入れに関する事実を公然化すること
  5. 債務者や保証人などの勤務先を訪問し、債務者、保証人などの勤務先での立場が不利益となるような言動を行うこと
  6. 自己の債権の回収を図る目的で、他の貸金業者から借入れ又はクレジットカードなどの使用などにより弁済することを要求すること
  7. 法律上支払い義務のない者に対し支払い請求をすること及び必要以上に取立てへの協力を求めること
  8. 弁護士又は代理権認定司法書士から代理権受任の通知を受けた後に、委任者である債務者、または保証人に対し、正当な理由なく直接支払いを請求すること
  9. 債務者や保証人が調停申立てや破産申立てなど訴訟手続きをとったことを通知した後に、これらの者に対し、正当な理由なく直接債権の取り立てを行うこと
  10. その他正当とは認められない方法によって請求又は取り立てること

勤務先の訪問については、上記のように規定があり、「債務者や保証人などの勤務先を訪問し、債務者、保証人などの勤務先での立場が不利益となるような言動を行うこと」は、違法な取りたてとして禁止されています。

自己破産すると、家具とかも全部差押さえられてしまいますか?
いいえ、そのような事はありません。

生活する上での必要最低限の家財道具は差押え禁止の財産となっているため、差し押さえられることはありません。

ドラマの世界では、よくテレビや箪笥などに赤紙が貼られていますが、そのようなことは、ドラマの世界だけです。

差押え禁止の家財道具

1点のみが差押さえ禁止のもの

冷蔵庫(容量は問わず)・洗濯機(乾燥機含む)・電子レンジ(オーブン含む)・テレビ(29インチ以下)・瞬間湯沸かし器・ラジオ・ビデオデッキ・エアコン・掃除機・鏡台

2点以上あっても、全て差押さえ禁止のもの

エアコン以外の冷暖房器具・整理タンス・洋タンス・ベッド・調理器具・食器棚・食卓セット

免責を受けると、滞納している税金や国民保険なども、免れますか?
残念ですが、滞納している税金や国民保険などは、免責の対象とはなりません。

ギャンブルによって作った借金です。絶対に、免責を受けることができませんか?
ギャンブルによって作った借金は、免責不許可債権となっています。

免責不許可事由

  1. 浪費やバクチによって、莫大な借金を抱えたとき。
  2. 破産者が自分の財産を隠して、免責の申請をしてきたとき。
  3. 架空の借入先を新たに作ったり、借金で買った物をバンバン処分したとき
  4. 破産宣告前1年以内に、破産状態であるのに、詐欺をして借金で財産を得たとき
  5. 嘘の債権者一覧表を裁判所に提出したり、嘘の財産状況を報告したとき
  6. 免責申請前10年以内に、免責決定を受けているとき
  7. その他、破産法に定める義務に違反したとき

しかし、実際には、キャンブルや浪費で作った借金であっても、破産・免責が通ることもかなりあります。簡単に諦めず、専門家の方に相談してみましょう。

家族に内緒で、自己破産することは可能ですか?
破産の申立てをすると、住所地に、裁判所から通知が行きます。

そのときに、郵便物を全て自分で管理し、家族の方に見られなければ、家族の方には気付かれないかもしれません。

また、弁護士などに依頼した場合、弁護士事務所に裁判所からの通知が行くことになりますので、この場合も、破産すると、官報に載り、破産者名簿にも記載されますが、これもご家族の方が見ることはほぼないでしょうから、家族の方には気付かれないかもしれません。

しかし、家族の方に内緒で・・・という気持ちはわかりますが、できれば、ご家族の方に正直にお話いただき、債務整理についてのご協力をいただいた方が好ましいのは、言うまでもありません。

後日ローンを組もうとして、組めず、トラブルに発展することも少なくありません。

自己破産すると、借金をしたり、クレジットカードを作れなくなりますか?
破産すると、信用情報機関などに、ブラック情報として載ることになります。破産の場合、7年〜10年、新たに借金をしたり、クレジットカードを作れなくなると言われています。

破産・免責後に発生した収入も、債権者に取られてしまいますか?
破産・免責後に発生した収入は、全て自分のものになります。債権者に取られたりはしません。

自己破産とは

債務整理には、任意整理、特定調停、過払い、自己破産などがありますが、この中で、最も強力な債務整理の方法が、自己破産です。自己破産以外の債務 整理の方法は、全て「支払う方向」ですが、自己破産だけは、支払うことを断念する「支払わない方向」の債務整理であると言えます。「支払う方向」の債務整 理は、引き直し計算などをして債務をカットした後に、3年以内(特別な事情がある場合には、5年以内)で返済していける事が条件となり、返済が不可能な場 合には、自己破産を選択することになります。

自己破産は、なにやら人生の敗者であるかのように考える人もいますが、長引く不況など、経済情勢は依然として厳しく、その中で人生をやり直すことの できる「人生再生」の制度であると言えます。自己破産を選択する人も、決して卑屈にならず、「人生は何回でもやり直せる。その良い機会をもらった。」と積 極的に考え、これを機に、ぜひ心機一転頑張ってください。

自己破産には、財産がある場合の「管財手続き」と財産がない場合の「同時廃止」があります。「管財手続き」は、期間が1年〜2年と長くかかり、費用 も高く、手続きも複雑なので、司法書士や弁護士などの専門家に依頼したほうがいいでしょう。「同時廃止」は、期間が3ヵ月〜6ヵ月と短く、3万円以下の裁 判所費用でできます。ちなみに、同時廃止の場合には、次のような手続きとなります。

自己破産手続きの流れ(同時廃止の場合)

  • 破産申し立て

    • 申し立てから1カ月〜2カ月で、審尋(裁判官との面接)
  • 破産審尋

    • 即日から1カ月で、決定が下りる。
  • 破産決定

    • 1カ月以内に免責申し立て(東京地裁などは、破産申し立てと一緒)
  • 免責申し立て

    • 申し立てから1カ月〜2カ月で、審尋(裁判官との面接)
  • 免責審尋

    • それから1カ月程度で、免責決定
  • 免責決定

まず、破産の制度においては、破産決定を受けただけでは、借金はなくならない点に注意してください。破産決定というのは、「支払不能」の状態を宣言しただけであり、借金がなくなった訳ではありません。借金をなくすためには、その後に、「免責決定」が必要になります。免責を受ける場合、以下に記載する免責不許可事由というのがあります。

免責不許可事由

  1. 浪費やバクチによって、莫大な借金を抱えたとき
  2. 破産者が自分の財産を隠して、免責の申請をしてきたとき
  3. 架空の借入先を新たに作ったり、借金で買った物をバンバン処分したとき
  4. 破産宣告前1年以内に、破産状態であるのに、詐欺をして借金で財産を得たとき
  5. 嘘の債権者一覧表を裁判所に提出したり、嘘の財産状況を報告したとき
  6. 免責申請前10年以内に、免責決定を受けているとき
  7. その他、破産法に定める義務に違反したとき

しかし、これらに該当したからと言って、絶対に免責が通らないとは言えません。例えば、ギャンブルなどが原因で借金をこしらえた場合でも、免責が通る可能性がありますので、簡単に諦めず、専門家に相談しましょう。

破産の流れの中で、「破産審尋」や「免責審尋」などの裁判官との面接が一番、難易度が高いと思われるかもしれませんが、そうではありません。この審 尋は、通常10人〜20人を集めて(場合によって1人ということも・・・)、「免責不許可事由に該当する人はいますか?いたら、手を上げてください。」な どと質問だけであり(もちろん、手を上げる人はいませんが・・・)、15分程度で終わります。

免責に異議申し立てをしたい債権者も出席が認められていますが、来ることは、ほとんどありません。また、免責に異議申し立てをする債権者も、ほとん どいません。一番の難関は、審尋ではなく、破産申し立ての受理です。ここで、書記官の方が書類審査を行う訳ですが、ここで受理されれば、後は9割以上、免 責まで行けます。

自己破産に関する正しい知識を

よく破産をすると、不利益として以下にあげるような「うわさ話」等を耳にする場合がありますが、すべて真実ではありません。

  1. 破産者だと戸籍に載る
  2. 裁判所から、破産者の勤務先に通知が行く
  3. 選挙権・被選挙権がなくなる
  4. 生命保険は解約しなければならない
  5. 失業保険や年金がストップする
  6. 退職金が全部取り上げられる
  7. 破産後に取得した財産も、全部取り上げられる

うわさ話や間違った情報等に惑わされることなく、正確な情報や知識を得る為、また不要な不安などを取り除く為にも「専門家」へ相談し、解決することをおすすめ致します。

Copyright © 2013 印鑑の優美 All Rights Reserved.