任意整理

知っておきたい債務整理用語

あ行

違法取り立て(いほうとりたて)
次の行為を貸金業者が行うと、金融庁のガイドラインに違反し、1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられ、これらを併科される。

  1. 正当な理由なく、午前8時以前、午後9時以降その他不適当な時間帯に債務者、保証人などに電話・電報などで連絡したり、これらの者を訪問したりすること
  2. 反復又は継続して債務者・保証人などに電話・電報などで連絡し、もしくはこれらの者を訪問すること
  3. 多人数で訪問したり、大声をあげたり、乱暴な言葉を用いたり、暴力的な態度をとったりすること
  4. はり紙・落書きその他いかなる手段であるかを問わず、みだりに債務者の借入れに関する事実を公然化すること
  5. 債務者や保証人などの勤務先を訪問し、債務者、保証人などの勤務先での立場が不利益となるような言動を行うこと
  6. 自己の債権の回収を図る目的で、他の貸金業者から借入れ又はクレジットカードなどの使用などにより弁済することを要求すること
  7. 法律上支払い義務のない者に対し支払い請求をすること及び必要以上に取立てへの協力を求めること
  8. 弁護士から代理権受任の通知を受けた後に、委任者である債務者、または保証人に対し、正当な理由なく直接支払いを請求すること
  9. 債務者や保証人が調停申立てや破産申立てなど訴訟手続きをとったことを通知した後に、これらの者に対し、正当な理由なく直接債権の取り立てを行うこと
  10. その他正当とは認められない方法によって請求又は取り立てること
大手5社(おおてごしゃ)
消費者金融のうち、武富士、アコム、プロミス、アイフル、三洋信販をいう。

押し貸し(おしがし)
頼んでもいないのに、口座にお金を振り込んできて、「10日で5割の利息を支払え」などと要求する違法行為。

か行

改正貸金業法(かいせいかしきんぎょうほう)
闇金融をターゲットに2003年7月25日に改正された。無登録営業した場合、5年以下の懲役、又は1,000万円以下の罰金、またはこれらの併科 となる。(法人が違反した場合には、1億円以下の罰金)また、年利109.5パーセント(閏年は109.8パーセント)を超えた契約は無効となることな り。その支払いを要求しただけで、刑事罰の対象となる。

買取屋(かいとりや)
債務者の持っているクレジットカ-ドの買い物枠を利用して、債務者に金券・パソコンなどを買わせ、その商品をさらに買取ることを商売にしている業者。

自分の所で金券などを売る場合には、市価で売り、それよりも安く買い取ることで、その差額が業者の利益になる(もしくは、大手量販カメラ店などでパソコンなどを買わせ、それを安く買い叩き、買い取った商品を転売して儲ける)。

多重債務者などは、すでにキャッシング枠を使い切っているため、ショッピング枠で買った物を換金できると、お金を借りるのと同じ効果となる。

過払い金(かばらいきん)
利息制限法と出資法の差額で、支払いすぎている分があるときには、引き直し計算により、元金を減らすことができる。

元金を減らしていき、さらに払いすぎている場合には、支払超過分を戻してもらうことを請求できる。この支払い超過分を、過払い金といい、戻してもらうことを請求することを、過払い金返還正規有という。

管財手続き(かんざいてつづき)
破産申立てをした場合に、手元に財産がある場合には、「管財手続き」となり、財産がない場合には、「同時廃止」となる。

手元に、66万円を超える財産があると「管財手続き」となり、それ以下だと「同時廃止」となる。「管財手続き」となった場合には、財産を売って(競売)、それを債権者が債権額に応じて分けることになる。

例えば、300万円の財産を持っているAさんが自己破産したとする。Aさんには、債権者Bさん(200万円)、債権者Cさん(300万円)がいた場 合、Bさんは120万円(300万円×200万円/500万円)、Cさんは180万円(100万円×300万円/500万円)の割合で、按分される。その 手続きを、破産管財人(通常、弁護士)の元で進めるのが、管財手続きである。

元本(がんぽん)
利息をつける元となるお金。通常、返済すると、(1)費用、(2)利息、(3)元本の順に充当されるので、減らされるのが一番最後になる。

期限の利益(きげんのりえき)
期限まで待ってもらう利益。民法上、債務者のためにあると推定される。支払い不能などの事故が起こった場合、ローンであっても、債務者は機嫌の利益を失い、残額の一括請求がなされるという規約を掲げているクレジット会社も多い。

切り半(きりはん)
債権回収を暴力団等に依頼した場合、報酬は、キリトリ(債権回収)が成功した場合の半分になるという相場。取り半ともいう。

グレー・ゾーン(ぐれー・ぞーん)
利息制限法においては、10万円以下の借金は年利20%以下、10万円以上100万円以下の借金は年利18%以下、100万円を超える借金は年利15%以下となっている。それに対して、出資法では、年利29.2%以下となっている。

この利息制限法と出資法の間をグレー・ゾーンと呼び、お客が任意に支払うなら有効となる。よく認識せずに支払っていた場合(ほとんどそうなのだが)、引き直し計算の対象となる。→引き直し計算

検索の抗弁権(けんさくのこうべんけん)
債権者が、保証人の財産を差し押さえてきたら、「債務者に財産があり、かつ、執行も容易なので、まず、債務者の財産から先に差し押さえてくれ。」という権利。検索の抗弁権は、保証人にはあるが、連帯保証人にはない。

公正証書(こうせいしょうしょ)
公証人役場に行き、公証人に作ってもらう書類。借用書を公正証書で作った場合、そのまま債務名義になるので、支払い命令や確定判決を取らなくても、債務者の財産の差押さえが可能となる。

個人再生(こじんさいせい)
「給与所得者等再生」と「小規模個人再生」の2種類がある。個人再生の最大のメリットは、不動産を手元に残しながら、債務整理を進める点である。管轄は、地方裁判所である。

さ行

催告の抗弁権(さいこくのこうべんけん)
債権者が保証人に請求してきた場合、「まず、債務者から先に請求してくれ。」と言う権利。催告の抗弁権は、通常の保証人にはあるが、連帯保証人にはない。

債務名義(さいむめいぎ)
例えば、借用書があるからといって、債務者の財産を差し押さえることはできない。差し押さえるためには、債務名義が必要となる。債務名義を取るには、公正証書で借用書を作るか、支払命令を取るか、確定判決を取るのが通常である。

サービサー(さーびさー)
債権管理回収業に関する特別措置法(以下「サービサー法」)に基づき、法務大臣から営業の許可を得て設立された会社のこと。不良債権を3%~4%で買い取り、1割~3割程度の回収を目指している。

支払督促(しはらいとくそく)・支払命令(しはらいめいれい)
債務名義を取るための手続き

  1. 申立書の提出
  2. 簡易裁判所から相手方に、支払命令が送達される。
  3. 相手方は、送達の日から2週間以内であれば、異議申し立てができる。
  4. 債務者からの異議申し立てがなければ、30日以内に裁判所に仮執行宣言を出してもらえる。
  5. 異議申し立てがなければ、支払命令が確定し、正式裁判で勝ったのと同じ効果が得られる。

「支払命令」などが届いても、放置している債務者の方がいますが、放置してよいものではありません。必ず、異議申し立てなど、必要な措置を講じてください。

紹介屋(しょうかいや)
「低利で一本化」や「ブラックOK」などで多重債務者を勧誘し、他社を紹介するふりをして、実際は紹介せず、高額(2割~5割)の紹介料を取る詐欺。

小額管財(しょうがくかんざい)
通常の管財事件(財産がある場合の破産)の場合には、予納金が50万円以上かかる。そこで、その財産が小額の場合には、予納金20万円で迅速に管財事件を扱えるようにした。

これを小額管財という。この小額管財制度の利点は、普通の管財事件と同じように、破産申立てがあると、債権者は、もう給料とかを差し押さえることができなくなる点である。

さらに、この小額管財を利用すると、小額管財人(弁護士)の免責推薦制度がある。弁護士の推薦により、多少難しい事件でも、免責を勝ち取ることができる。

ただし、現在では、東京地裁と横浜地裁でしか行われていない。

小額訴訟(しょうがくそしょう)
1回の証拠調べで、簡単に、そして迅速に終了する裁判制度。ただし、小額訴訟には、次の要件・特徴がある。

小額裁判制度の要件・特徴

  1. 訴訟金額が、60万円以下であること
  2. その年において、同一の家庭裁判所での利用が10回以内
  3. 相手方の住所が分かること
  4. 審理が1回しかないこと
  5. 控訴ができないこと
  6. 電話会議システムで、証人尋問可能
  7. 事件が複雑でないこと
出資法(しゅっしほう)
出資法では、借金の上限金利が年利29.2%以下となっており、ほとんどの消費者金融が、この金利以下あたり(25%~29.2%)で営業してい る。出資法違反の場合、契約が無効となり、罰則がある。5年以下の懲役、又は1,000万円以下の罰金、またはこれらの併科となる。(法人が違反した場合 には、3,000万円以下の罰金)

信用情報機関(しんようじょうほうきかん)
信用情報を登録し、加盟する会員(銀行、クレジット会社、信販会社、消費者金融など)が、債務者の返済能力を調査する際に、参考資料として提供する機関をいう。

全国信用情報センター連合会(全情連)、日本情報センター(JIC)、 テラネット 、シー・アイ・シー 、全国銀行個人信用情報センター(全銀協) 、シー・シー・ビー などがある。

捨て印(すていん)
訂正用に、契約書の空いている場所に押す印鑑。訂正用であるということは、この捨て印を利用して、契約書の改ざんも可能になる。したがって、よほど信用できる相手でなければ、押してはいけない。

即日面接(そくじつめんせつ)
破産申立てをした日に破産宣告がなされる制度。一般の破産手続きに比べて、簡素化・迅速化されている。破産審尋は弁護士だけが面接して、債務者本人は出頭しなくても良い。

ただし、免責審尋は債務者が出頭しなければならない。それでも、都合1日、つまり1回だけ裁判所に行けばよい。この「即日面接」の制度は、弁護士が代理人となって申し込む場合に限って認められるため、債務者本人が破産申立てをする場合には、利用することができない。

現在では、東京地裁と横浜地裁でしか行われていない。

た行

遅延損害金(ちえんそんがいきん)
支払期日に遅れた場合に付くもの。遅延利息とも言うが、性質は、損害賠償である。

提携弁護士(ていけいべんごし)
詐欺グループの一員。弁護士介入通知だけ出して、何もやらず、債務整理の費用だけ騙し取る。

トイチ(といち)
昔は10日で1割の利息のことを言ったが、現在では、「都(1)」のことをトイチという。まだ、登録の更新がないため(更新すると、(2)などになる)、一般的に信用が低い。紹介屋などは、ほとんどこの「都(1)」である。

同時廃止(どうじはいし)
破産手続きにかかる費用さえなければ、管財手続きを進めることができないため、破産宣告と同時に、破産手続が終了する。これを「同時廃止」という。

な行

内容証明(ないようしょうめい)
正確に言えば、内容証明郵便。内容証明郵便は、1通を相手に送り、1通は謄本を郵便局で保管し、1通は謄本を 自分で保管する。裁判の前段階として活用されている。

日常家事債務(にちじょうかじさいむ)
結婚生活に必要な費用のこと。日常家事債務は、夫婦が連帯して負担しなければならない。しかし、夫婦の一方がした借金は、たとえ生活費のための借金であっても、日常家事債務にはならず、夫婦の他方が連帯して支払う必要は原則としてない。

根保証(ねほしょう)
一定の極度額の範囲で、債務額の保証額が増える可能性のある保証。根保証人は、最初に債務者が借りた額を保証したと思っているが、その後、債務者が追加融資を受けた分まで保証債務の履行を迫られ、愕然とするという事件が多発した(商工ローン問題)。

根保証であることをきちんと説明しないで契約を締結させた場合には、無効であるという判決が、あちこちで出ている。

は行

白紙委任状(はくしいにんじょう)
委任契約において、交付される委任状だが、その権限などの詳細が白紙になっているもの。細かい記述が委任状にあると、その内容に受任者が拘束されてしまうため、実務では、白紙で交付されることも多い。

しかし、何をされてもOKという証明にもなってしまうため、非常に危険が大きい。債務者は、債権者から脅されても、安易に白紙委任状など書かないように。財産を全て取られても、文句をいう事はできない。

破産管財人(はさんかんざいにん)
破産管財事務を行う者。通常は、弁護士。

張り付いている
枠(限度額)一杯まで借りてしまって、なかなか元本が減らない状況。

日掛屋(ひがけや)
毎日集金に行くことを条件に、高金利(54.75%)の利息を取る金融屋。日掛屋をやる条件

  1. 主として物品販売業、物品製造業、サービス業を営む者で、大蔵省令で定める小規模のもの(常時使用する従業員が5名以下)に対する貸付であること
  2. 返済期日が100日以上であること
  3. 返済期間の100分の50(平成12年12月以前は100分の70)以上の日数にあたり、かつ、貸付の相手方の営業所または住所において自ら集金すること
引き直し計算(ひきなおしけいさん)
利息制限法と出資法の差額を計算し、多く払いすぎている分を、元本から差引く計算のこと。

ま行

名義貸し(めいぎがし)
債務者が、ブラックなどの理由で金融機関からお金を借りられない場合、友達などに、名前を借りて、借金をする行為。支払い義務は、もちろん契約者である名義を貸した者にある。安易に名義を貸すと、地獄を見ることになる。

みなし弁済(みなしべんさい)
債務者が、「利息制限法による引き直し計算」を主張すると、貸金業者が持ち出してくる理論。「みなし弁済」が認められると、引き直し計算が主張できなくなる。しかし、「みなし弁済」の要件は、非常に厳しく、認められることはほぼない。

「みなし弁済」の要件

  1. 貸金業者から借りたお金であること
  2. 貸金業者が、契約の際に契約書を交付している
  3. 本人が、元金ではなく、利息と認識して支払った
  4. 本人が、利息制限法の利率を越える利息を支払うことを、認識して利息を支払った
  5. 貸金業者が、受け取る際に、領収書を交付している
  6. 本人が、現金を実際に支払った。
  7. 本人の自由意思で、利息を支払っている。

や行

闇金融(やみきんゆう)
利息制限法や出資法を無視して、10日間で5割、年1825%などという高金利を請求してくる違法業者。闇金の借金は、不法原因給付なので、返済の必要はない。

与信(よしん)
債務者の信用状況。与信が高いほど、借り入れ限度額などが上がっていく。一般的に、公務員は与信が高く、自営は与信が低い。

ら行

利息制限法(りそくせいげんほう)
10万円以下の借金は年利20%以下、10万円以上100万円以下の借金は年利18%以下、100万円を超える借金は年利15%以下となっている。ただし、利息制限法に違反しても、罰則はなく、消費者金融は、ほとんど、この利息制限法の上限金利は守っていない。

リボ払い(りぼばらい)
正式には、リボルビング払い。追加融資を受けても、月々の元本支払い額が変わらない支払方法をいう。リボ払いの場合には、債務者が多額の負債を抱えているという認識が低いため、多重債務に陥りやすい。

連帯保証人(れんたいほしょうにん)
通常の保証人と違い、催告の抗弁権や検索の抗弁権がなく、非常に厳しい条件の付いた保証人。借金の場合には、保証人を要求されることはほとんどなく、連帯保証人を要求される。

任意整理とは

任意整理とは、債権者と個別に交渉して、債務整理の和解の成立を目指すものです。

任意整理を行うためには

  1. 法的な知識
  2. 交渉力

上記2つの要素が必要とされるため、通常の債務者が単独で行うことは難しく、代理権を付与された司法書士・弁護士などの専門家に依頼する方がいいでしょう。

これらの専門家に依頼すると、介入通知を出してもらえ、債権者の督促をストップさせた上で、ゆっくりと債権者と交渉できるというメリットもあります。

任意整理の目的と詳細

任意整理で目指すのは、債務の引き下げと、支払計画の合意です。
債務の引き下げの法的な根拠となるのは、「引き直し計算」と呼ばれているものです。

利息制限法においては、10万円以下の借金は年利20%以下、10万円以上100万円以下の借金は年利18%以下、100万円を超える借金は年利15%以下となっています。

それに対して、出資法では、年利29.2%以下となっています。消費者金融などでは、ほとんどがこの出資法の上限金利29.2%付近までに利息を取っていますので、「利息制限法との差(グレーゾーン)」について、引き直し計算をすることができるのです。

例えば、100万円を年利29.2%で消費者金融から借りている人がいたとしましょう。その人は、月に、24,333円の利息を支払っていることになります(100万円×年利29.2%÷12カ月)。

しかし、利息制限法では、100万円以下の借金は年利18%以下ですので、29.2%−18%=11.2%も多く利息を支払っていることになりま す。この多く払っている9,333円は、利息として支払っているわけですが払いすぎですので、これを元本から差引きます。すると、24,333円の利息を 支払っても1銭も元本は減らないはずが、99万667円に元本が経ることになるのです(100万円−9,333 円=99万667円)。

毎月、この調子で元本を減らしていけば、5年も支払いつづけていたのであれば、債務は半分以下になります。多く支払いすぎて、逆に元本がゼロになっても支払っているのであれば、「過払い請求」と言って、お金を戻してくれと請求することもできます。

ただし、この引き直し計算をするためには、ご自分がいつ借りて、いつ支払ったかという取引経過の詳細が必要になります。ATM領収書など、しっかり管理されている方なら、引き直し計算をご自分でやる事も可能ですが、そういう証拠となるものが残っていないのでしたら、司法書士などを利用して、業者に取引明細の情報開示請求を出してもらいましょう。

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